【おすすめの小説】七つの会議 池井戸潤

伊藤萬斎主演映画「七つの会議」原作!会社の常識は世の非常識?!不祥事を隠す会社と、それを正そうとする男達の物語!

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あらすじ

きっかけはパワハラだった! 会社の業績を牽引する稼ぎ頭のトップセールスマンであるエリート課長・坂戸宣彦。彼を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下で「居眠り八角」と呼ばれている万年係長・八角民夫だった。そして役員会が下した結論は、不可解な人事の発令だった。いったい二人の間に何があったのか。いったい今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。決して明るみには出せない暗部が浮かび上がる。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。日本の今、企業の正体をあぶり出す、大ベストセラーとなった衝撃のクライム・ノベル。(「BOOK」データベースより)

 

 2019年2月公開となった映画「七つの会議」の原作である本作品。

私がキャッチコピーを付けるとするならば、「壮大緻密なパズルの最後のピースがはまる時、”働くこと”の意味を人は知る!」でしょうか。

 

一章ごとに異なる主人公の異なる立場と目線から、ひとつの真実に迫る本作品。

パズルのように、一つ一つのピースからは何もわかりません。ピースが連なり絵が見えてくると、そこに浮かび上がるのはひとつの会社の大きな不正と隠蔽。

その壮大緻密で怒涛のパズルゲームに読者は引き込まれること間違いないでしょう。

 

一押しのポイント

組織内で行われる不正。

その不正が仮に人命に関わる事故を起こす可能性があるとして。 

一方、その告発は、自分や仲間の名誉や職、家族を失う可能性があったとして。

その人はどこまで”正義”を実行することができるのか。

そして、人はなんのために働くのか。

それが、この物語で繰り返し語られるテーマになります。

物語を通じて、読者も自分のことを、そして入社した頃の自分を、省みるきっかけになるのではないでしょうか。

 

ある人物が作中このように述べます。

「仕事っちゅうのは、金儲けじゃない。人の助けになることじゃ。人が喜ぶ顔見るのは楽しいもんじゃけ。そうすりゃあ、金は後からついてくる。客を大事にせん商売は滅びる。」

長く働くと忘れがちになってしまいます。

もちろん会社にはノルマもあるでしょう、意に沿わぬ指示もあるでしょう。そして、たくさんのしがらみもあるでしょう。”働く”って楽ではないですよ。

上司がいて、上司にはさらに上司がいて、最終的には社長がいて。もしかしたら、その上には親会社があって。会社という組織にはそんな構造があるかもしれません。

ただ、忘れてはならないのは、仕事の先には必ずお客がいるということ。そして、会社というのはあくまで特定の価値を生み出す一つの組織に過ぎないということだと思います。

 

自分で考える頭を持ち、自分の信念を持ち、自分に恥じない生き方をしたいものですね。

 

最後に

映画版では伊藤萬斎氏が主役を務めます。

彼が演じるのは、あの「捻くれ者」。でも、本当は一番真摯な人物。

映画も気になるところです。

ちなみに、本作を読んでいて私はドーナツが食べたくなってしまいました。

コーヒーでも淹れて、ドーナツ片手に読んでいただきたい。