【おすすめの小説】オレたちバブル入行組 池井戸潤

ドラマ「半沢直樹」の原作!正しいことは正しく、戦うサラリーマン必見。すっきりしたい人にオススメ!

あらすじ

話題沸騰のドラマ『半沢直樹』(堺雅人主演)原作! バブル期に大手銀行に入行し、今は大阪西支店融資課長の半沢直樹。支店長の命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を半沢に押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢に残された手は債権回収しかない――。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。しかも入行以来いいことなしのバブル世代。しかし嘆いてばかりじゃ始まらない。顔を上げろ、プライドを捨てるな、そのうち負け分を取り戻してやる! 働く者すべての勇気を奮い起こさせる痛快エンターテインメント。(「amazon」より)

 

ドラマで大ヒットを飛ばした本作品。

現在は半沢直樹直樹シリーズとして、第4作まで発巻されています。

「やられたらやり返す、倍返しだ」でも注目を集めました。これは半沢の性分を的確に表した決め台詞だと思います。主演を務めた堺雅人ははまり役でしたね。

原作のなかでどのようにこのセリフが登場するのか、必見です。

 

出世に燃え自分の責任を転嫁する行員や、不正に手を染める上司。かつての合併前の出身銀行に基づく派閥争い。さまざまな不義や不毛な戦いが引き起こされます。

そんななか、半沢も上司により理不尽な責任転嫁にうけます。上司が一方的に融資を押し切った融資先の会社が倒産し、貸し倒れに。にも関わらず、その責任は半沢にあると銀行内部で吹聴する上司。

 

債権回収に走る半沢ですが、倒産会社の社長は雲隠れします。そんな中、その社長と金の動きを追ううちに、倒産に計画性があったのではないか、そして、その影には銀行内部のとある協力者がいるのではないかと不正の匂いがしてきます。

不正に対して半沢がどう戦うのか、これが本作の大きな見所です。 

 

一押しのポイント

基本は性善説をもつ半沢ですが、理不尽な不義が自分に降りかかるとき、彼はその本性を発揮します。彼の同期は、彼をこう評します。

「そのうちイヤでもわかるだろうからいまは何も言わないが、毒舌の論客。とんでもない野郎だ。みんな議論する時は要注意」 

 

 半沢は自分の実務能力と論理力とその度胸で持って、相手を完膚なきまでに叩きのめします。本気を出したときの、その口舌はとどまることを知りません。

理不尽な仕打ちに対して鬱憤をためる読者は、けちょんけちょんに反撃していく様に溜飲を下げること間違いありません。

野球の試合でいえば、中盤までは大差でビハインド。8回までに点数を返し返され、1点差。9回裏でサヨナラ満塁ホームランで、3点差をつけての逆転勝利。

気持ちがよくないはずがありません。

 

そして、物語を盛り上げる様々な登場人物。

これぞ、敵役という大和田常務は、ドラマでは香川照之で抜群の演技をしていましたね。半沢の奥さんの花も、唯一あの無敵の半沢の敵わない存在として魅力的です。

 

そして、気になるのはあの名言はいつどこで、ということ?

実は原作であの決め台詞が登場したのはただ一回。

「基本は性善説。だが、やられたらやり返す。倍返しだ」

 そして、台詞はドラマと同じなのですが、これが登場したのは実は物語の序盤。

しかも半沢がヒートアップする前なのです。

これ以上に半沢の性質を表した言葉はないと思うのですが、これを見出したドラマの演出家はさすがだなと感じます。

 

最後に

勧善懲悪がはっきりしており、非常に優れた能力と舌鋒を持つヒーロー。

この物語は読んでいて、気分爽快。拍手喝采

ただ、個人的に好きなのは、こうした超人的な半沢が、同僚の前で愚痴や悪態をついたり、妻の花にやり込められたりする姿を見ること。

半沢がビールを飲むシーンは、サラリーマン一同、皆一緒に飲み会に参加している気分なのでしょうね。そして、妻に説教されている姿もまた、お家での自分を重ね合わせているのかも。

そんな魅力的なキャラクターを創り上げた池井戸氏には脱帽。